乳幼児期の発達に最も大切なこと

子どもの発達要素

「心の発達」「体の発達」「知能の発達」が三位一体として学びのサイクルになっています。 「心」が育つことで「探求心」が生まれ、探求心が生まれることで「動き」、そして様々な発見をして「学び」を得ます。 ですので、まずは「心」を育てることが重要になってくるので、いきなり何かを詰め込んで学ばせる必要はないのです。

乳児期に形成された愛着関係が、その後の人格形成に影響する

「心」を育んでいくのに、一番重要なことは『愛着を持って接してあげる』ことです。 そんなに難しいことではなくて、赤ちゃんが不安で泣いている時は「抱っこ」して安心させてあげたり、「う~」とか「あ~」とか発信して何か要求している時に「うんうん」と返してあげるなどで良いのです。そして、こういったコミュニケーションは、赤ちゃんなりの『成功体験』になるので、「自尊感情」や「自己肯定感」「共感や思いやり」の土台が形成されていきます。 毎日の育児のなかで、赤ちゃんの不安や、要求に対して、どのように関わってきたかの積み重ねで、子どもの基本的な人格の土台要素が形成されていくんですね。
 発達初期に親との愛着が不安定だった子どもは、「自尊心」や「他者への共感性」が低くなります。また、不安が強くなり、自分を守るために過剰な攻撃性を持ったり、逆に臆病になったりする傾向もみられるようです。

現代の幼児教育事情の問題点

┃注意!『何かをやらせないと…』という焦り


 ママ友やご近所の話を聞いて、つい自分の子供と比べてしまい『遅れを取りたくない!』『優位に立ちたい!』『出来ないこの子がかわいそう』という親のエゴが先行しすぎないようにしましょう。子供の成長には個人差があり、性格や特性に合わせて見極めてあげることが大切です。 また、”○○メソッド”が多すぎるあまり『とりあえず何かをやらせておけば大丈夫』という間違った判断になってしまわないようにも注意が必要です。


┃早期化する幼児教育 

多くのメソッドが出てきて、乳児期の重要性が広く知られるようになってきました。 しかし、そこで『早く始めた方が優位!』という誤解が生まれました。 暗記や訓練によって身に付けた認知は、そのプロセスに発見や創造がないので、暗記によって「出来た!」ことは発達による成果ではないのです。ただ、先に出来るようになるだけで、然るべき年齢になればそれらはみな出来るようになります。子どもは、今の発達段階以上のことは出来ないので、無理な先取り学習は”発達”においては意味が無いとされています。 ただし、英語の場合は日本語と英語の周波数が違い過ぎるので、”耳を慣らす”ことは推奨されているみたいです。 

乳幼児の発達は「遊び」の結果生まれる

乳幼児期の自発的行動は、遊びとして体験され、その遊びの行動から、探求心や学習、発見が得られ脳の発達に繋がります。

┃遊びの条件は、実体験であること

ビデオや動画ではなく、実際の対話やコミュニケーション。CDではなく、実際の本の読み聞かせ。電子音ではなく、叩いたりして鳴る物理現象による音(たいこ、楽器)など。


┃創意工夫の自由を与えてあげる 

大人が遊びを制限し過ぎないようにしましょう。子どもは、大人が考えつかないやり方で、創造性を発揮し、そこに発見があり、より高い知能獲得の可能性を得ます。 大人の関わり方としてのステップは、まず『一緒に楽しむこと』で子どもに幸せな体験をさせて、やる気を出させてあげます。 次に『褒めてあげること』で次のステージに進む自信をつけさせてあげます。 最後に『適度な介入』によって、より高度なステージに行くキッカケをつくり、それを『見守る』ことで自ら選択する子供の個性を尊重してあげることが大切です。


まとめ

子どもは、日常の「あそび」から様々な事を学び、創造し、発見し、探求心や挑戦心を育んでいきます。親が出来ることは、その環境を整えて見守ってあげることです。 最後に1つ。理論、理屈どうりにいかないのが実際で、時にはイライラしたり子どもに当たったりもするでしょう。そんな時でも、否定で終わらないことが大切です!最後には子どもを褒めたり「大切にしてるんだよ」という気持ちを伝えてあげてください。